公務員から民間企業へ転職したら年収はどうなる?実体験をもとに紹介
「公務員を辞めたい。でも年収が下がったら困る……」
転職を検討している公務員の方の多くが、こうした不安を抱えているのではないでしょうか。
私もかつて市役所に勤めていたとき、まったく同じ悩みを持っていました。給料の安定した公務員を手放してまで転職する価値があるのか——そう自問し続けた経験があります。
この記事では、アラサーで市役所を退職し、上場企業の経理職へ転職した私の実体験をもとに、
- 公務員から転職すると年収はどうなるか
- 私が実際にどのくらい年収が変化したか
- 転職後にどうやって年収を回復・増加させたか
について、具体的な数字を交えながらお伝えします。
先に結論をお伝えすると、最初の転職では年収が下がるケースが多いものの、その後のキャリア次第では、年収を回復できる可能性があります。
年収への不安から転職に踏み出せずにいる方
公務員から転職すると、まず年収が下がる可能性が高い
公務員から民間企業へ転職する場合、最初は年収が下がると覚悟しておくのが現実的です。
理由は明確で、公務員としての経験は民間では「即戦力」として評価されにくいためです。特に私のように経理などの専門職へキャリアチェンジする場合、実務経験がゼロの状態からスタートになるため、採用時の年収が抑えられる傾向があります。
ただし、以下のようなケースでは、公務員時代の経験が正当に評価されることもあります。
- 技術系の資格・専門知識を活かして転職する場合(土木、建築、ITなど)
- 行政の経験を強みにコンサルタントになる場合
- 公共分野に強みを持つ民間企業へ転職する場合
このような例外はありますが、多くの方は「最初は多少下がるもの」と想定しておくと、想定外のギャップに苦しまずに済みます。
私の1回目の転職:年収450万円 → 提示400万円
転職前にやったこと:簿記3級・2級を3ヶ月で取得
市役所を辞める前に、経理職を目指すと決めてから簿記3級と2級を約3ヶ月で取得しました。
全くの未経験から経理へ転職するには、資格で「やる気と基礎知識」を示すことが最低限の準備だと考えたからです。
転職活動は想像以上に苦労した
1回目の転職活動は、正直かなり苦労しました。
当時、公務員からの転職に関する情報がネット上にほとんどなく、参考にできるものがない状態からのスタートでした。
さらに、公務員の職歴は民間企業からは評価されにくく、書類選考の段階で50社以上落ちるという状況が続きました。
転職エージェントについても、ハイキャリア系のエージェントには「紹介できる求人がない」と登録を断られることもありました。
面接でも苦労しました。転職理由の軸が「公務員から脱却したい」という漠然としたものだったため、うまく言語化できず、今思えば的外れな答えをしていたと感じています。

提示年収は400万円。でも実際は公務員時代と変わらなかった
転職直前の市役所時代の年収は、月30時間程度の残業代を含めて約450万円でした。
そこからアラサーで上場企業の経理職に転職した際、提示された年収は400万円。額面ベースで約50万円のダウンです。
しかし、実際に働き始めると残業代が別途支給されたため、転職1年目の実際の年収は約450万円となり、公務員時代とほぼ同水準に落ち着きました。
この経験から学んだのは、**「提示年収だけで判断してはいけない」**という点です。
残業代・賞与・各種手当・福利厚生によって、実際の年収は変わることがあります。転職先を検討する際は、提示額だけでなくこれらの条件も含めてトータルで比較することが重要です。
私の2回目の転職:年収450万円 → 600万円へ
2年半で積んだ経理の実務経験
1回目の転職後、約2年半かけて経理の実務経験を積みました。
主に担当したのは固定資産周りの業務です。具体的には以下のような内容です。
- 固定資産の取得・除却などの異動処理
- 減価償却費の計上
- 四半期決算における減損会計
- 法人税申告(別表16)
- 固定資産税の申告
- 固定資産の棚卸
1回目の転職では「未経験」としてスタートしましたが、この2年半で即戦力として評価されるだけの専門性が身についていきました。
2回目の転職活動:20社応募、半年で内定
2回目の転職では、リクルートエージェントをメインに活用しました。登録自体はdodaやマイナビにもしましたが、最終的にリクルートに絞った理由は担当者の動き方にあります。
他のエージェントはこちらから連絡しない限り動いてくれないことが多かったのですが、リクルートの担当者は「困っていることはないですか」と定期的にこちらから連絡をくれました。その分、応募書類の添削や面接対策も相談しやすく、転職活動を進めやすかったです。
期間は約半年、応募数は20社ほど。1回目の50社超と比べると、書類選考の通過率が大きく改善していました。
職歴として評価できる経理経験があったことで、エージェントからの求人紹介の質も変わり、転職活動全体がスムーズに進みました。
結果:年収600万円へ
結果として年収は約600万円となり、1回目の転職時から150万円アップ、公務員時代と比べても大幅な増加となりました。
公務員時代には想像もしていなかった水準です。
なぜ2回目の転職で年収を大幅に上げられたのか
最大の要因は、**「具体的な経理実務の経験が市場価値として評価されたこと」**です。
転職市場では「何ができるか」が年収に直結します。固定資産業務・減損会計・法人税申告といった専門性が、企業側に「即戦力」として映ったことが、1回目との大きな違いでした。
1回目の転職では書類選考で50社以上落ちていたのに対し、2回目では20社の応募でスムーズに内定を取れたのも、この専門性の積み上げによるものだと感じています。
年収を上げるための流れを整理すると、こうなります。
- 資格で参入資格を示す(簿記2級など)
- 最初の転職で実務経験のスタート地点に立つ
- 2〜3年かけて専門性を深める
- 専門性を武器に2回目の転職で年収アップを狙う
一足飛びには難しいですが、この流れを意識することで、年収アップにつながる可能性が高まります。
年収が一時的に下がっても、転職する価値はある
私は結果として、年収面以上の価値を得られたと感じています。
公務員時代には得られなかったものが、民間に出ることで手に入ったからです。
- 市場で通用する専門スキル(固定資産・税務・決算)
- 民間企業ならではのスピード感とビジネス経験
- 転職市場で評価されるキャリアの積み上げ
そして、それらが2回目の転職での年収600万円という結果につながりました。
「自分には何もない」と感じていた公務員時代の自分に教えてあげたいのは、職歴さえ積めば、公務員時代の年収を超えることは十分ありえるということです。
転職を考える際は、転職直後の年収だけでなく、数年後のキャリアをどう積むかという視点を持つことが大切です。短期的に年収が下がっても、キャリアの積み方によっては将来的なプラスにつながるケースもあります。
まとめ:最初は下がっても、キャリア次第で年収を回復できる可能性がある
公務員から民間企業へ転職する場合、最初は年収が下がる可能性があるのは事実です。
私自身、市役所から上場企業の経理へ転職した際、提示年収は450万円→400万円に下がりました。
しかし実際の年収はほぼ同水準を保ち、その後2年半かけて経理の専門性を積んだことで、2回目の転職では年収600万円まで上げることができました。
お伝えしたいのは、転職直後の年収だけで判断しなくていいということです。
最初の転職は、より高い年収を得るための「土台づくり」です。何もないところからでも、職歴を積み上げることで状況は変わります。年収への不安から一歩が踏み出せない方の参考に、少しでもなれれば幸いです。



