【実体験】私が公務員を辞めた本当の理由|将来に希望が持てなかった話
「公務員を辞めたい。でも、安定を捨てるのは怖い」
そんな気持ちを抱えながら働いていませんか。
私も同じでした。
公務員は安定している職業です。実際、私も「仕事はそこまで大変ではなく、安定して働けるだろう」と考えて市役所へ入庁しました。
しかし実際に働いてみると、想像していた公務員生活とは大きく異なっていました。
理不尽なクレーム対応。夜中や休日の緊急召集。終わりの見えないストレス。
そして何より、このまま働き続けた先に自分がなりたい姿を見つけることができませんでした。
この記事では、私が公務員を辞めた本当の理由についてお話しします。
今の働き方に悩んでいる方にとって、自分の将来を考えるきっかけになれば幸いです。
結論:辞めた本当の理由は、将来に希望が持てなかったから
結論からお伝えすると、私が公務員を辞めた本当の理由は、クレーム対応や災害対応が辛かったからではありません。
もちろん、それらの業務は大きな負担でした。
しかし今振り返ると、本当の理由は別のところにあります。
それは、「このまま働き続けた先に、自分がなりたい未来が見えなかったこと」です。
その不安が決定的になったのは、親友の退職と、上司の姿がきっかけでした。
ここからは、私がどのように考え、転職を決意したのかをお話しします。
初仕事で知った、役所組織の現実
私が最初に配属されたのは防災課でした。
初めて任された仕事は、災害発生時に避難所へ向かう職員の割り当てです。慣れないながらも残業を重ね、なんとか完成させました。
市長決裁も終わり、無事に職員へ通知した直後のことです。
一本の電話がかかってきました。
「なんで俺が避難所に行かなきゃいけないんだ。外してくれ」
公務員人生の最初のクレームは、まさかの市民ではなく職員からでした。しかも理由は「やりたくないから外せ」です。
市役所職員はみんな同じ方向を向いて仕事をしているものだと思っていました。そのため、この出来事にはかなり戸惑いました。
仕事とはそういうものなのだろうと思い、目の前の業務に向き合っていました。
災害対応で感じた、終わりのない緊張感
防災課では災害が発生すると、夜中でも休日でも出勤しなければなりません。台風の日も例外ではありませんでした。
暴風雨の中を市役所へ向かい、消防や県との連絡調整、被害情報の集約を行います。
そしてもう一つ大変だったのが、市民からの電話対応です。
「お前たちは何もしていない」「税金で飯を食っているくせに」
こうした言葉を浴びるたびに、強い無力感を覚えました。住民の方も不安だったと思います。それでも、ストレスの受け皿になり続けることは想像以上に苦しいものでした。
当時はメールの受信音が鳴るだけで目が覚めるようになっていました。今思えば、それだけ常に緊張状態だったのだと思います。
それでも、この頃はまだ転職を考えていませんでした。公務員になった以上、これが当たり前なのだと思っていたからです。
コロナ禍で心の余裕を失った
その後、福祉部門へ異動しました。ところがコロナ禍となり、ワクチンのコールセンター業務に従事することになります。
そこからは毎日10時間近く電話対応を行う生活が始まりました。
「いつ打てるんだ」「早くしろ」
怒鳴り声が受話器越しに飛んできます。
本来は1か月程度の応援予定でした。しかし過酷さから体調を崩す職員も多く、私は半年近く担当することになりました。
当時の私は完全に余裕を失っていました。朝起きて出勤準備をしているとき、無意識にこう呟いていたのです。
「早く帰りたい……」
まだ家を出てもいないのにです。
そんな日々が続く中で、ある出来事が私の考え方を大きく変えることになります。
親友の退職が、固定観念を壊してくれた
そんな日々の中で、大きな転機が訪れます。
同期であり、一番仲の良かった友人が市役所を辞めたのです。しかも次の仕事は決まっていない状態でした。
その友人は、ずっと仕事が辛そうでした。顔は暗く、会うたびに少しずつ痩せていっていました。
だから辞めると聞いたとき、私が最初に感じたのは引き留めたいという気持ちではなく、「おめでとう」という気持ちでした。
吹っ切れたような友人の顔を見て、心からそう思ったのです。
私は公務員になった以上、定年まで働くものだと思っていました。辛くても続けるしかない。辞めるという選択肢は存在しない——本気でそう考えていました。
しかし友人の姿を見た瞬間、その固定観念が崩れました。
公務員を辞めることは特別なことではない。人生の選択肢の一つなのだと、初めて気づいたのです。
上司の姿を見て、自分の未来に重ねられなかった
親友の退職をきっかけに、私は初めて自分の将来について真剣に考えるようになりました。
そのとき目に入ったのが、上司の姿です。
上司は課長や議員からの無理難題、そしてころころ変わる指示に対して、日々対応し続けていました。四方から板挟みになりながらも、部下のために動こうとしていました。
その姿を見て、私が感じたのは尊敬よりも先に、「自分にはできない」という感覚でした。
あの板挟みの中で部下を守ろうとすれば、私は潰れてしまう。そう感じました。
そしてある日、その上司が帯状疱疹を患っているのを知りました。
ストレスで体に症状が出るほどの状態で働いている。
「この人は幸せなのだろうか」と思いました。そして同時に、「少なくとも自分はこの先を楽しめない」と確信しました。
このまま働き続けた先に希望が持てない。それが私が転職を決意した本当の理由です。
初めて本気で、自分の人生と向き合った
転職への不安はありました。
公務員から転職するのは怖い。就職活動も、公務員一本で受けた新卒のとき以来です。本当に転職できる保証もありません。
それでも、何もしないまま今の働き方を続け、一生を終える方がもっと怖いと思いました。
私は初めて本気で自分の人生と向き合い、転職サイトへ登録しました。
最初から本気で転職するつもりではありませんでした。ただ、今の職場以外の世界を見てみたかっただけです。
しかし求人を眺めてみると、驚きました。
「仕事って、こんなにいろいろあるんだ」
面白そうだと思いました。自分にも別の可能性があるかもしれない、と初めて感じた瞬間でした。
これが私の転職活動の始まりでした。
転職活動は、決して順調ではなかった
転職活動は約1年半かかりました。
最も辛かったのは、書類選考がまったく通らなかった時期です。
何十社と応募しても返ってくるのは不採用通知ばかり。そのうち、「自分には価値がないのではないか」と感じるようになりました。
そして、「もう公務員から逃げられないのかもしれない」とも思いました。
辞めたくて動き出したはずなのに、どこにも行けない。その閉塞感は、在職中のストレスとはまた別の苦しさでした。
それでも諦めずに続けた結果、未経験から上場企業の経理職へ転職することができました。

実際に公務員を辞めて後悔したか?
後悔していません。
転職後に一番実感したのは、理不尽がなくなったことです。
市民からの予期せぬクレームがない。突然の爆弾が降ってこない。自分のペースで仕事に向き合える。
それだけで、働くことへのストレスが大きく変わりました。
もちろん民間企業にも大変なことはあります。しかし少なくとも、朝起きた瞬間から「早く帰りたい」と呟くような日々ではなくなりました。
約6年半勤めた市役所を辞めたことを、私は後悔していません。
まとめ
私は公務員を辞めることを勧めたいわけではありません。
公務員には安定という大きな魅力があります。実際に私も多くのことを学びました。
ただ、一度きりの人生です。
今の職場で働き続けた先に、あなたがなりたい未来はありますか。
もし答えに迷うのであれば、転職サイトに登録して求人を眺めるだけでも構いません。
私自身、最初はその一歩から始まりました。求人を見て「仕事っていろいろあるんだ」と感じたあの感覚が、転職活動の原動力になりました。
私は転職という選択をしましたが、それが正解だったとは限りません。
ただ、公務員を続けること以外にも選択肢があると知れたことで、将来に対する見え方は大きく変わりました。
今の働き方に迷いがあるなら、一度だけでも外の世界を見てみる価値はあると思います。



