公務員から民間転職|面接で必ず聞かれる質問7選と回答例【元公務員が解説】

公務員から民間企業への転職面接では、質問内容がある程度パターン化されています。
しかし、多くの人はネットにあるテンプレ回答をそのまま暗記してしまい、面接官の意図を理解できず、不自然なやり取りになってしまうのが現実です。
私も市役所から経理職へ転職する際、最初の面接では準備不足で撃沈しました。
そこから、実際の面接官の視点を分析し、自分の経験をベースにした回答を構築した結果、無事内定を獲得できました。
この記事では、私が実際に聞かれた質問7つを、
「面接官の意図 → 答え方のポイント → 実際に使った回答例」
の順に解説します。
この記事を読み終えれば、どんな質問でもテンプレではなく「あなたの言葉」で答えられるようになります。
よく聞かれる質問7選
質問1|自己紹介をしてください
定番中の定番。最初に絶対聞かれる質問です。
社会人になってからの経歴を1分程度でまとめ簡潔に答えます。
自分がどんな会社に勤め、どんな業務を行なってきたかを簡単に説明します。
面接官は事前に履歴書と職務経歴書を確認しているので、当然あなたのことを知っています。
では、「なぜ質問するのか?」というと、以下の2点に目的があります。
- 緊張をほぐすため
- 要点をまとめられる力があるかをチェックするため
特に2つ目が大事。経歴を長々と話してしまうとマイナス評価。
自分の経歴の要点を簡潔に答えることを意識してください。
【例文】
◯◯◯◯と申します。本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。
私は大学を卒業後、◯◯市役所に入所しました。防災課に配属となり、防災計画の作成や、防災訓練の立案・実施を担当しました。
その後、福祉課に異動となり、現在は、福祉サービスの受付といった窓口業務、予算、支払や勤怠管理などの庶務業務に従事しています。
本日はどうぞよろしくお願いします。
質問2|転職理由を教えてください
採用企業が転職理由を聞くのは、以下の2点を確認するためです。
- 「同じ理由ですぐ辞めないか?」
- 「うちで長く働いてくれる?」
他責思考な人と印象づけられてしまうので、ネガティブだけの転職理由はNG。
「今の職場を辞めるのは仕方ないけど、うちなら長く働いてくれそうだな」と面接官が思ってくれる理由がベスト。
【例文】
私の転職理由は、経理がやりたいからです。
業務で会計の知識が必要となり、簿記の勉強をはじめました。簿記の勉強を進める中で決算書を作るという経理の業務に強く惹かれ、自分でも調べてみるうちに、ぜひ挑戦したいと思うようになりました。市役所では定期的な異動があり、自分の希望で業務を選ぶことは難しいため、経理に特化してキャリアを築くのは現実的ではないと感じました。
どうしても経理に挑戦したくて、転職を決意しました。

質問3|公務員を志望した理由は?
公務員ならではの質問です。
公務員になるためには筆記試験があって大変なのにどうして公務員を目指したの?という疑問が湧きます。
初めての就職に対して、どういう考え・価値観で選択したのかを確認するための質問です。
この質問も転職理由同様、本音で答えるのはNGです。私のように「楽そうだから」なんてもってのほかです。
【例文】
私が市役所を志望した理由は、幅広い業務を通じて地域に貢献できるからです。
就職活動当時、正直に申し上げると、明確にやりたいことは決まっていませんでした。
しかし、学生時代に自治体のお祭り実行委員としてボランティア参加した経験から、「地域の課題解決やイベント運営に関わる面白さ」を感じていました。
その際、職員の方から「自治体では多様な分野の業務を経験できる」と伺い、自分のやりたいことを見つけるには最適な環境だと考えました。
幅広い業務に挑戦しながら、自分の適性を見極めたいと思い、市役所を志望しました。
質問4|公務員を辞めることについて周囲は?
この質問も公務員ならではです。
採用企業も「公務員=安定」というイメージが強く根付いています。
安定を捨てることについて、
- 家族や友人はどんな反応をしているのか?
- 周りの反応を踏まえて自分はどう考えているのか?
特に2つ目は直接的に聞かれているわけではないですが、自身の考えをしっかり伝えることを意識してください。これがなければただの他人の感想になってしまいます。
【例文】
両親からは「せっかく入ったのにもったいない」と言われました。
しかし同時に、「やりたいことがあるなら頑張りなさい」と背中を押してくれました。
私自身も、市役所を辞めるのはもったいないと感じています。
それでも、今このタイミングで転職しなければ、きっと将来後悔する―そう思い、挑戦を決意しました。
質問5|あなたの強みは?
採用後にどう活躍できるか具体的にイメージできているかを確認するための質問です。
特別な強みがあってもその職場で活かせなければ意味のない強みになってしまいます。
必ず志望する職場にマッチする強みを答えてください。
【例文】
私の強みは、「課題解決力」です。
津波の危険性が新たに公表され、沿岸部で避難施設が不足するという課題が発生しました。公共施設だけでは足りず、民間企業にも依頼しましたが、ほとんど断られました。
そこで、相手にもメリットがある提案に切り替え、秘書課や広報課と調整して、締結式やプレスリリースによるPR機会をセットで提案しました。その結果、13施設を確保し、避難施設不足を解消できました。
この経験から、一方的な依頼ではなく、相手視点で条件を設計することが成果につながると学びました。御社でも社内外と連携し、成果を出せると考えています。
質問6|残業が多くても大丈夫ですか?
残念ながら特段の理由がなければ、「問題ありません」と答えるしかないです。
しかし、この質問はただ単に残業できるかを確認するためのものではないです。
「繁忙期の理解」「過去の経験」「効率化」まで話すと評価が高まります。
【例文】
繁忙期は、当然残業時間が長くなることを理解していますので問題ないです。
現職の◯◯課でも月に45時間ほど残業がありますが、問題なく働けています。
しかし、残業についてはなるべく減らせるように効率良く働くことを常に意識しています。
質問7|ストレス発散方法は?
面接官が知りたいのは自己管理ができるかです。
今のご時世でもストレスでメンタルをやられてしまう人は多いです。
そうならないために行なっている自己ケアを答えれば問題ないですが、「健全」は意識してください。
酒・タバコ・ギャンブルは避けるのが無難。
【例文】
ストレス発散方法は、ジムでたくさん汗を流した後お風呂に入ることです。
こうすると、心も体もリフレッシュされて、さきほどまで悩んでいたことを自然と忘れられます。
まとめ
公務員から民間企業への面接では、**「安定を捨てる理由」「民間で活かせる力」「長期的に働けるか」**が特に見られます。
ポイントは3つです。
- 回答はテンプレ暗記ではなく、面接官の意図を理解し、自分の経験に置き換えること
- エピソードには数字や成果を盛り込み、説得力を高めること(例:避難施設13か所確保)
- 「残業」「ストレス発散」のような雑談系質問でも、自己管理力や働き続けられる力を示すこと
この記事を読み終えたら、まずは自己紹介・転職理由・強みの3つを作ってみましょう。
これができれば、他の質問は簡単に終わるはずです。